新しい手元供養ってどんな感じで、実際どうなの?

100年前には予想だにしなかった手元供養。

昔からのしきたりにこだわってもよし。

柔軟な解釈をしてもよし。

なんでもありなら、あなたはどうしますか?

手元供養ってそもそも何なんですか?

本来、遺骨は墓地に納骨して、自宅の仏壇位牌を祀り、
自宅で日常的に回向することが本来の供養のスタイルでした。

何らかの理由により遺骨をお墓に納めないで、
自宅に置いて供養することを手元供養といいます。

遺骨は全部だったり、一部だったりしますが、
とにかく遺骨を手元において故人と向き合いたいという形です。

なぜ手元供養をしたいのか?

手元供養をしたい理由は様々ありますね。

「お墓がないので仕方なく」「お墓はいらないという故人の遺言」という、
やむを得ずとか当面の措置というちょっとマイナス思考の場合と、

故人をもっと身近に感じていたいとの理由で、
遺骨の一部を近くに置くといったポジティブな感じのものがあります。

今注目なのが、そんなポジティブなアプローチでの手元供養なわけです。

「遠くのお墓でなく近くにあるほうがいい」
「供養は自分なりのスタイルでやりたい」などの考えによります。

手元供養がトレンドになる背景とはいったい何?

故人は火葬後にお墓に納骨して、仏壇に位牌を祀ります。

仏壇が日常供養の対象であり、お墓は定期的に訪れるというこのスタイルは、
ここ100年くらいメインのやり方として続いてきました。

遺骨はお墓に納骨するもので、納骨する前に仏壇に合わせた位牌を
購入しなければならないといったステレオタイプでした。

しかしながら、ここにきて葬送とか供養の世界にも多様化の波が浸透してきました。

そして、選択する側が自由に選べるようになってきたわけです。

仏壇にモダンタイプが登場したり、位牌は省略したりして
遺骨の一部を供養の対象にする「手元供養」が台頭したりしてきたわけです。

この流れには誰にも変えられないのです。

仏壇屋さんもいろいろ考えなければ生き残れないわけなのです。

手元供養が広まった最大の理由は?

故人を弔い、偲ぶ方法は昔から日本全国ほぼ同じでした。

身近な仏教とか神道などの教えに従っていたわけです。

言い換えると、それぞれの信教がしっかりと布教し、
それが功を奏して全国的に普及していたわけです。

教義や宗旨の違いこそあれ、全国的におなじような形で故人を供養していたので、
供給側としては簡単でやりやすかったはずです。

ところが、世代交代を繰り返すうちにオールドタイプの頼みの綱だった
信仰心やお寺や神社との関係がどんどん希薄になりました。

仏教徒が多いので仏教を例に説明しますが、
自分の宗旨・宗派にさえもまったく無頓着な人が増えているわけです。

そして「私は無宗教なので骨はどこかに散骨してくれ」となってしまうわけです。

ニュータイプの登場、これは寺院の怠慢でもなく、時代の要請だったりするわけです。

まとめ

手元供養が注目されているのは、
コストが安くすむという側面も当然あるわけです。

例えば、遺骨の一部をおしゃれなミニ仏壇に入れて、
他の遺骨は散骨する。

そうすると、お墓はいらないし、
通常の仏壇や位牌などを購入するよりも格段に安くなる。

そしてリビングルームでの違和感も皆無という感じです。

そして自宅を訪れた人には「無宗教だった故人の遺志を尊重して」と
説明すれば万事OKなのです。

信心深い親戚がいる場合には
早めにコンセンサスを取りつける必要がありますが、
多様性を享受したい人はこんな感じで、ご自由にどうぞ。

(葬祭の窓口ライター)

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